かつての夢

2017/11/04


1995年の3月末に父がなくなって、もう14年半近く経ちます。
父が脱サラして独立して自分で細々とやっていた仕事が、不渡りをつかまされて家を抵当に借金して返済をしたあたりから、父は体調を崩し始めていました。そして会社を畳もうかとしていたころ、血を吐いて倒れたのでした。父が倒れたという知らせはあたしには入りませんでした。心配させてはいけないという両親の気持ちからでした。
で、家を売って借金を返して、両親二人で小さい部屋を借りて悠々自適に暮らそうと考えてたころ、父は再び吐血してしまい、そのまま帰らぬ人になりました。父はお酒が大好きで、二度目の吐血の少し前に、医者から禁止されていたお酒を飲んだようです。父も自分の最期を悟っていたのかもしれません。自分への最後のごほうびとして缶ビールを一本、飲んだのでしょう。母も父を咎めなかったそうです。


あたしは大学入学のために上京して、そのまま東京で就職していました。父に何も親孝行してあげられなかった。まさに「親孝行したいときには親は居ぬ」ですね。
せめてと思い、あたしはUターンをしました。同じ会社の地元の工場に転勤を希望したのです。母は実家のあったすぐ真裏のマンションに住んでいました。たまに母の元に行くと、マンションの下に元の実家のある場所が見えて、そこには真新しい家が建っていました。


あたしは誓ったのです。
いつかあの家を買い戻してみせるって。
そしてその家に母を住まわせてあげたいって。


でも全然お金はたまらないし、自分の生活で精一杯。ちょっとお金に余裕があれば飲みに行って散在するばかり。
だからあの誓いは実現できそうにもないけど、あたしの夢として、まだ夢は捨てないでおこうと思ってます。